牛の腸内細菌叢

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作   者：

大塚浩通; 

作者机构：

帯広畜産大学獣医学研究部門; 

期刊名称：

臨床獣医

i s s n：

0912-1501

年卷期：

2024 年 42 卷 4 期

页   码：

24-29

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摘   要：

動物の身体の発達や生理活動において微生物との共 生は不可欠である。腸はその代表的な器官で，多種, 大量の微生物が叢を形成してビ夕ミンや脂肪酸などの 栄養素を産生するだけでなく，細菌叢が免疫系を刺激 して全身の免疫活性にも閨わっている。正常な腸内細 菌叢は消化管での有害微生物の増殖を抑制し，侵入す る病原体から宿主を守る役割がある。また単胃動物と 異なり’反芻動物では第一胃（ルーメン）内で微生物が 活動しており，その発酵によって揮発性脂肪酸(VFA) とも呼ばれる短鎖脂肪酸(SCFA)が大量に生成され る。これは単なるエネルギー源であるだけでなく，乳 成分の前駆体ともなる。乳脂肪，乳糖や乳タンパク質 は，SCFAおよびルーメン内での増殖した微生物による 菌体タンパク質を介して産生される。そして，SCFA が産生されるもう1つの微生物叢と共存する重要な消 化管が盲腸.結腸,直腸であり，ルーメンに匹敵する SCFAを得ている。反芻動物ではかたい植物繊維を 消化する前胃の微生物叢に注目が集まることも多い が，下部消化管での発酵も宿主の健康維持における栄 養素の生産だけでなく，免疫の観点で重要である。本稿では，牛の消化管感染症や免疫について腸内細 菌叢の視点で考察する。